in3 Open Dialogueサステナビリティデモンストレーショントランスフォーメーション組織づくり認知開発
【実施報告】in3 Open Dialogue 認知開発デモセッション「サステナビリティ・トランスフォーメーション 」を開催いたしました
2025.12.09
日時:10月24日(金)14:00〜17:00
会場:Glocal Point Aoyama
株式会社in3は、「認知開発」と「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」をテーマに、オープンセッションを開催いたしました。
当日は、大手企業の サステナビリティ推進・経営企画・人事部門 などから十数名の皆さまにご参加いただき、企業変革を加速させるための実践的な視点を共有しました。
セッションでは、シナリオ型シミュレーション CELEMI Sustainability™ を体験いただき、経営・現場・スタッフ部門といった多様な立場の視点から、サステナビリティを「自社の意思決定や価値創造とどう結びつけるか」 について議論を深めました。
参加者の皆さまは、立場や所属を超えた対話を通じて、相互理解の深化や自分事化の促進、そして組織全体で変革を進めるための実践可能性を体感されました。
以下に、当日のセッションのエッセンスをご紹介します。
1. 今回のデモセッションの主旨
本セッションは、「認知開発」と「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」を軸に、企業変革を加速させるための実践的な視点を共有することを目的としています。
社会の変化は本来「脅威」ではなく「オポチュニティ(機会)」であり、サステナビリティやESGもその一例です。欧州では規制を通じて市場を設計し、企業が新たな成長領域を獲得する仕組みが進んでいます。
一方で日本企業は「社会や人のため」という価値観を文化として培ってきました。本来はサステナビリティの波を競争力に変える余地が大きいにもかかわらず、実際には「制約」と捉えられ、十分に攻めの戦略へと結びつけられていません。
今回のセッションでは、この「戦略」と「文化」の両面からSXを捉え直します。
2. 戦略 × 文化
①in3の「組織開発」
- 戦略の実行には「仕組み」と「文化」という両輪が不可欠。
- 個々人を変えるのではなく、組織全体として「どう動くか」を設計する。
②「変化と実践」モデル

・上段:外部環境と価値提供(OUTCOME)
社会の要請や顧客ニーズの変化により、企業は「何を提供するか」を見直さざるを得ません。サステナビリティはその代表例です。
・中段:戦略を支える組織行動(仕組みと文化)戦略を実行し成果(OUTPUT)へとつなげるには、現場の組織行動を変えることが不可欠。制度や評価などの SYSTEM & PROCESS と、無意識の行動特性として形成される CULTURE の両立が必要です。
・下段:人材開発と組織開発の違いDIVERSITY・SKILL・MOTIVATION などの人の特性は土台ですが、in3は「個々人を鍛える」より「組織全体として動けるようにする」ことに注力します。
3. 本日の前提
外部環境が大きく変わる中で、組織行動の変革は経営そのものの課題。
4. 認知 → メンタルモデル → 行動
人の行動は「認知」に基づくメンタルモデルによって決まります。
認知が変わるとメンタルモデルが変わり、行動が変わります。逆に行動を変えることで認知が広がる場合もあります。
ただし、人は安心や安定を求めるため、同じ認知と行動を繰り返す傾向が強いのが現実です。
(例:カエルと馬の絵 ― 同じ対象でも見方を変えれば解釈が変わる → これが「認知の多様性」)

5. 学習とはメンタルモデルを変えること
学習とは知識の獲得ではなく、自らの「視点・視座」を意識し、変えること。
例えば経営者育成では、経営者の視点を持つことで理解と行動が変わります。
重要なのは「多様な視点」と「高い視座」であり、フレームワークも型にはめるのではなく、視野を広げるツールとして活用することです。
そして「組織にもメンタルモデルがある」という点が、本日の議論の核心につながります。

6. 組織の場合
E.H.シャインの定義によれば、組織文化とは「組織が生き残るために学習してきた“当たり前”や“信念”」。
これは、組織に安心を与える一方で、組織の見方を固定化させてしまいます。組織に属すると同調圧力で共通の認知が浸透し、結果的に「共有された認知と行動の型=組織文化」が形成されます。
7. 組織文化と認知の固定化
しかし、この認知が固定化すると「変わらない組織」になります。悪意はなくても、新しい認知への問いが立たず、外部変化を取り込めなくなるのです。 新しい認知を取り込むのは時間もリスクもかかり、個人任せでは限界があります。

8. リーダー個人に任せるには変化が多すぎる
そのため、リーダーシップ研修などで「新しい認知を持ち込める人」を増やし、組織全体のメンタルモデルを動かす取り組みが重視されています。 しかしながら、従来は「強いリーダーが認知を書き換える」という変革リーダーシップ論が主流でしたが、変化のスピードが速まる現代では、それだけでは追いつきません。
組織全体でアンラーニングやメンタルモデルの更新を行い、認知をアップデートするサイクルを意識的に回すことが必要です。


9. 組織内の“変化について”の対話によりメンタルモデルが広がる
特に日本企業では、個人が単独で挑むよりも「ワイガヤ」と呼ばれる対話で全体が探求に向かう方が、リスクを抑えつつ変化を促せます。新しい刺激を「話せる化」して公式のメンタルモデルに組み込むことが、持続的な行動変容の鍵となります。

10. シナリオ型シミュレーション CELEMI Sustainability™ 体験(概要)
本セッションは、前述の通り組織に「認知開発」を促すと言う視点から、今、あらゆる組織が変革の必要性に迫られている「サステナビリティ・トランスフォーメーション」を一例としてCELEMI Sustainability™*を活用し、企業変革を加速させるための実践的な視点の一部を体験いただきました。

①シミュレーションの鍵となるテーマ
CELEMI Sustainability™では、本資料の2.②「変化と実践」モデルに示される外部環境と価値提供(OUTCOME)という視点から、サステナビリティを取り巻く主要テーマを題材にしています。
参加者は、外部環境や価値提供の先となるステークホルダーのニーズの変化も踏まえ、いかに全体最適の目線で意思決定を行うかを検討します。
また、部門間の連携(アラインメント)も図りながら、戦略を支える組織行動(仕組みと文化)をどう整え、実践・活動に繋げていくかをチームで対話いただきます。
②変革の成功要因とそれに対する組織内外でありがちな反応
サステナビリティの変革を進めるうえで重要なのは、外部環境の変化を正しく捉え、全体最適で意思決定できるかという点です。
一方で現場では、「自部門が良ければ」「うちの指標では」「他社は他社で」など、慣習や分断が行動を制約しがちです。
こうした“ありがちな反応”を体験しながら、ステークホルダーの変化を踏まえ、戦略・組織・文化をどう連動させて実践につなげるかを議論します。
③変革のゴール設定とKPI(例示)
「Planet」「People」「Profit」の3つの観点で、長期的にすべての指標を100%に近づけることを目指します。
短期の成果だけでなく、それぞれのKPIをどう両立させ、持続的なバランスを実現できるかを体感的に学びます。
11. シナリオ型シミュレーション CELEMI Sustainability™ 体験(Q&A、感想・コメント)

①参加後のQ&A
Q1. 認知の変化はどのくらい起きるのか? 一度で変わるのか、それとも継続的な刺激が必要なのか?
- A: 一度の体験でも「我が社はもっと取り組まなければ」という合意形成にはつながる。
ただし、本質的な変化には戦略に書き込み、経営階層のメンタルモデルに落とし込む継続プロセスが必要。
現場では小さな行動変容も起きるが、それを戦略と結びつけて初めて大きな力になる。
Q2. 行動変容の狙いは何か? 経営レベルの戦略か、それとも現場のエンゲージメントか?
- A: 両方が重要。経営面でのオフィシャルな方針に組み込むことで、組織全体の行動が変わる。
そのうえで、現場での協力的な動きや日常の小さな変化が積み重なり、持続的な変革につながる。
Q3. このワークショップは何時間くらいかかりますか?
- A: 実際にシミュレーションを回す部分は約3〜4時間程度。
ただし、自社の状況や過去の議論を踏まえたディスカッションを加えると、全体で6〜8時間(丸一日)を想定している。
単に進行者が実演するだけでも学びはあるが、もっと効果的なのは社内のサステナビリティ担当者が参加し、自社での取り組みやインシデント対応を共有しながら事業戦略とのつながりを議論する形。そうすることで、より深みのあるセッションとなる。
② 参加者の感想・コメント
- 💬 シミュレーションに複数の部門の人が参加すると、普段見えていない視点を知ることができる。
- 💬 セッション後には「自社ではどう進めていくか」という形で議論やフォローの場があると効果的。
- 💬 受講だけで終わらず、各部署の担当者が参加して考える場を持つことで、組織全体の変化に接続できる可能性を感じた。
- 💬 小規模・部門横断の社内ワークショップを継続的に行うことが大事だと感じた。
- 💬 研修受講“だけ”では定着しにくいので、このようなロールプレイ/シミュレーションを各部署のサステナ担当者も交えて実施したい。
- 💬 そうすることで、部署間のつながりの理解が進み、「何をするとどう変わるか」が自分事化される。
- 💬 結果として、組織全体の変革が進みやすくなると感じた。
Seminar
-
in3 Open Dialogueデモンストレーショントランスフォーメーション変革実行力組織づくり認知開発
[ 開催日:2025/10/24 ]
認知開発デモセッションのご案内 組織の変革実行力を高める-(組織の実装力の基本フレーム) 2026年……2025.12.09 Our Blog
お申し込みはこちらから 近年、日本企業では「ポートフォリオ変革」「事業変革」「DX」「SX」「組織変革」など多くの“変革(トラン……
-
in3 Open Dialogueサステナビリティデモンストレーショントランスフォーメーション組織づくり認知開発
【実施報告】in3 Open Dialogue 認知開発デモセッション「サステナビリティ・トランスフ……
2025.12.09 Our Blog
日時:10月24日(金)14:00〜17:00 会場:Glocal Point Aoyama 株式会社in3は、「認知開発」と「サステナビ……
-
in3 Open Dialogueサステナビリティデモンストレーショントランスフォーメーション組織づくり認知開発
戦略と実行の乖離を超える「認知開発」 — メンタルモデル変容によるトランスフォーメーション —
2025.10.03 Our Blog
先日ご案内いたしました「認知開発デモセッション:サステナビリティ・トランスフォーメーション」(10月24日(金)14:00〜17:00 👉 詳細・お申し込みは……
Our Blog
-
in3 Open Dialogueデモンストレーショントランスフォーメーション変革実行力組織づくり認知開発
[ 開催日:2025/10/24 ]
認知開発デモセッションのご案内 組織の変革実行力を高める-(組織の実装力の基本フレーム) 2026年……2025.12.09 Our Blog
お申し込みはこちらから 近年、日本企業では「ポートフォリオ変革」「事業変革」「DX」「SX」「組織変革」など多くの“変革(トラン……
-
in3 Open Dialogueサステナビリティデモンストレーショントランスフォーメーション組織づくり認知開発
【実施報告】in3 Open Dialogue 認知開発デモセッション「サステナビリティ・トランスフ……
2025.12.09 Our Blog
日時:10月24日(金)14:00〜17:00 会場:Glocal Point Aoyama 株式会社in3は、「認知開発」と「サステナビ……
-
in3 Open Dialogueサステナビリティデモンストレーショントランスフォーメーション組織づくり認知開発
戦略と実行の乖離を超える「認知開発」 — メンタルモデル変容によるトランスフォーメーション —
2025.10.03 Our Blog
先日ご案内いたしました「認知開発デモセッション:サステナビリティ・トランスフォーメーション」(10月24日(金)14:00〜17:00 👉 詳細・お申し込みは……
