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    [ 掲載日:2019年7月4日 ]

    イノベーティブな組織をつくる ― チームや組織の変革を着火するリーダーシップ ―

    2019.07.10

    イノベーションを無意識に潰してしまう行動や振る舞い

    あなたの組織のリーダーの言動において、以下の項目に当てはまるものはいくつありますか?

     

    1. 創造性をそぐ
    クリエイティブに、チャレンジしよう、と掛け声はありつつも、「こんなものが成功するはずがない」「前例がない」といった理由で、新しいアイデアを拒否してしまう。


    2. 
    画一的に評価(フィードバック)をする
    クリエイティブなアイデアを出してもそれが評価(やフィードバック)をされないとわかると、メンバーはクリエイティブになることをやめてしまう。


    3. 
    過度な上意下達をよしとする
    リーダーが、部下の自由な意見交換や進言を推奨することで、より多くのメンバーが「貢献したい」と思うようになり、イノベーションも生まれやすくなる。「言われたことはきっちりやる」だけではイノベーションは生まれない。


    4. 
    画一的なマネジメントをする
    イノベーティブな組織は、クリエイティブなタイプと仕事を着実にこなす現実主義者タイプの両方が必要。うまく両者の関係をマネジメントする必要がある。


    5. 
    イノベーションをR&Dに限定する
    イノベーションは組織のあらゆる部署に必要。


    6. 
    まず批判する
    新しいアイデアを歓迎する姿勢が重要。


    7. 
    リスクを恐れ、イノベーティブなアイデアを小さくまとめる
    アイデアを上に伝える段階で、過度なリスク除去により、イノベーティブなアイデアは革新的なものではなくなってしまう。


    8. 
    曖昧さを嫌う
    確実な答えが既に出ているのならイノベーションの余地はない。曖昧さを許容しているか。


    9. 
    「あらゆる答えを知っている」かのように振る舞う
    メンバーを信頼し、答えの探求を促すリーダーが、組織の課題を解決する創造的なアイデアをより多く引き出すことができる。

     

    出典:Creative Center for Leadership. 2016. Are You Guilty of Subconsciously Sabotaging Innovation?.
    より翻訳、加筆修正

     

    いかがでしょう?思い当たる項目も多いかもしれません。「やっぱりリーダーが変わらないと・・」というような思いが頭に浮かんできてしまいませんか?

     

    上記の設問は、組織のメンバーのイノベーティブなアイデアやクリエイティブなイニシアチブを、リーダーが無意識に潰してしまう行動や振る舞いの例として紹介されているものです。しかし、リーダーに限らず、チームや組織の構成メンバー全体がこのチェックリストをクリアしている状態がいま求められています。

     

    それでは、いわゆる「上長として」ではなく、リーダーシップを行使しやすい環境にいるリーダーに求められる役割とはどのようなものなのでしょうか?

     

    元来イノベーティブな組織文化とは常にダイナミックなものです。つまり、過去の成功や戦略の枠に思考や行動を縛られることなく、変化に対応し、自己改革をし続けるものです。そのため、リーダーの役目は自分も組織の構成員のひとりとして、組織で学習され、無意識のうちに形作られるあたりまえ(=組織文化)に対して疑問を投げかけ、メンバーと共同で組織の自己改革を促していくことと言えるのではないでしょうか。

     

    チームや組織をイノベーションのエンジンと例えるなら、自分も含めたチームのエンジンの着火装置として機能することが、リーダーの役割なのです。

     

     

    “組織文化は、リーダーによって創造され、そしてリーダーシップの最も決定的な機能の一つが文化の創造であり、文化の管理であり—必要とあらば—文化の破壊なのである。” エドガー・H・シャイン

     

    リーダーは様々な形で組織の文化にアプローチすることが求められます。ここでは、3つの視点からチームや組織の変革を着火する例をご紹介します。

     

    冒頭のチェックリストの項目は、組織のメンバーのイノベーティブなアイデアやクリエイティブなイニシアチブ(ボトムアップの動き)を潰してしまうリーダーの行動様式の一例でした。ただ、潰すことを恐れて「自由な組織文化」だけをうたってもイノベーションは生まれません。イノベーションにはある種のしばりが必要です。ある一定の方向性やフォーカスをチームで共有できると協業(コラボレーション)が進みイノベーションの起こる確度もあがります。

    リーダーは、メンバーの自発性だけに頼るのではなく、組織の現状に合った適切な方向性の設定の仕方を常に意識してチームの舵取りをするスキル(トップダウンの動き)が求められます。

     

    組織のサイロ化やメンバーの孤立化は、思考の多様性を減らしイノベーションを阻む大きな阻害要因となります。「業務の効率を考えると完結できる仕事は一人でやった方がよい」というのは正しいですが、イノベーションを考えると効果的ではありません。現状の業務や作業の枠組みや、ルール・制度をフレキシブルに変え、協業(コラボレーション)を促進することで、思考の多様性を増やしていくことが、リーダーに求められています。また、チームの外とのコラボレーションも、ただ話す機会を作れば良いという訳ではありません。共通の目的を共有し、協業するようなプラスアルファを狙わなければいけません。チームの外のステークホルダーと目的を揃えるために、リーダーがやらなくてはいけないことは少なくありません。

     

    イノベーティブな組織をつくることは合言葉のようになっています。しかし具体的にどのような打ち手を打つべきかは、組織の現在の状態(組織文化)に左右されます。「リーダー」の役割が少しずつ変化する中、共通して言えるのは、チームや組織を変革する役割としてリーダーシップを捉えるところにヒントがある、ということです。

     

    NEWS

    2019年7月19日(金)に、無料セミナー [ in3 Open Dialogue第9回 ] イノベーション X リーダーシップを開催します。今回のin3 Open Dialogueでは、「イノベーティブな組織をつくるリーダーシップ」開発の方法論について、in3が提供してきた事例をもとに、参加者の皆様と共に探っていきたいと思います。お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。

     

    詳細・お申し込みはこちらから

    [ 開催日:2019/07/19 ]
    [ in3 Open Dialogue第9回 ]
    イノベーション X リーダーシップ

    詳細・お申し込みはこちらから

     

    in3 Open Dialogueとは

    in3は企業の人材・組織開発推進者・ご担当者様をご招待し、組織開発の実践(Practice)についてOpen Dialogueをシリーズで実施しています。このOpen Dialogueは、少人数の参加者で、様々な角度から組織開発を考えていきます。in3が提供してきた実例に基づくラーニングデザインをベースに、自由に意見を交換しながら対話し、実践に向けたインサイトを探求する場です。ぜひ、ご参加をご検討いただけますと幸いです。

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