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[ in3 Open Dialogue Report 第1回 ]

組織開発 X 大企業病 X エンゲージメント

2018.04.02

今回 in3 Open Dialogueでは、十数人の大手企業の参加者にお集まりいただき、日本企業で古くから「大企業病」と呼ばれていたもの ー形式主義、指示待ち、事なかれ主義、セクショナリズムなどの言葉に代表される、内向き、保守的で非効率な企業文化ー を組織開発のアジェンダとして捉え、組織開発の実践に向けたヒントを探っていきました。知らないうちに当たり前となっている「大企業病」の処方箋、そして現在注目を浴びる「エンゲージメント」の考え方を刺激としたダイアログです。

in3 Open Dialogue の進め方

参加者の皆様にテーブルに集まっていただき、組織開発をテーマに作成したダイアログマット(ポスター)を刺激物として、組織開発、大企業病、エンゲージメントについて話し合いました。ダイアログマットを活用し、共に「意味」を作る場(=ダイアログ)を体験することにより、参加者一人ひとりが、自分なりのインサイトを発見していくラーニングプロセスです。

ダイアログの前提
*ダイアログはコンテクストを共有する手法です。

ダイアログの開始
*組織開発は組織を強くするための実践的な働きかけです。
*大企業病は組織のポテンシャルを阻害する組織病です。

TOPIC 1 : 組織開発のWHY?とWHAT?

チームに分かれ、なぜ今組織開発が重要視されているのか、組織開発とはそもそも何か、について話し合いました。

WHY 参加者の皆様のダイアログより

『社会の変化に組織の変化がついていっていない』

(1) 外部環境の変化が早くなってきており、それに合わせて

(2) 事業の変化をしていかなければならないのだが、事業の変化に

(3) 組織が合っていないため、組織の仕組みや組織や人材の開発が必要になっている

例えば、

イノベーションを推進しようと言っていても、なかなか組織が動いていかない。そのお題目だけ掲げられて具体的な動きにならない…

組織に、失敗ができないという意識、組織文化があるので、イノベーションにつながっていかない


Thoughts in3:
  1. 企業の差異化という観点から
    • 戦略で差をつけるのが難しい時代 ― 組織行動に差異化の要素を探す企業が増えています。
    • 大企業病はあらゆる組織に自然と生まれる重力 ― その存在を認識し、常に抗うことができるかが、パフォーマンスの差を生むのではないでしょうか?
  2. VUCA(先の見えにくい世の中)で
    • 組織開発の基本はインターナルコミュニケーションと言い切るコンサルタントもいます。先の見えにくいビジネスで、常に自社の方向性や大事にしている価値観やブランドを確認することで組織の活性化を狙えるのではないでしょうか?
    • 昔のビジネスのやり方に合わせて出来上がった組織文化や制度が足枷となり、このようなパラダイムに対応できていないケースに対して、組織開発と変革マネージメントが同じ意味合いを持っていきます。

WHAT 参加者の皆様のダイアログより

組織・開発という2つの言葉を改めて考え、何を「組織」と捉えるのか、開発の「対象」は?というテーマからから意識合わせをスタートしました。

組織のポテンシャル開花を阻むもの、また組織開発を阻むものという側面から考えてみましょう。

『組織の当たり前をバージョンアップしている状態』

  • 組織とは?組織とは個人ではないので、その間にあるネットワークとかつながり、相互作用があるから扱いづらいもの。
    ・開発とは?発展・発達していくということ。目的があってそのために発展し続けられるか。持続性のあるアクションが取れるかどうかがポイント。
  • 組織開発を阻むものは、その組織の中で、暗黙知になっていること。当たり前になっていることは気づきづらい。『組織の当たり前をバージョンアップしている状態』が、組織開発が行われている状態と言える。
  • バージョンアップとは、常に変革しているとか、組織をよりよくしていくということが、当たり前の組織文化になっていること。外部の人間が刺激を与え続けないと変革できないということではなく、自分たちの中で変革を自走できるということ。


Thoughts in3:
  1. .singlecontents .postbody ol li「当たり前」や「組織文化」という言葉が出てきましたが、「組織」を考えるときは、個の集合としての組織ではなく、組織体独特の「何か」つまり「組織文化」に着眼することが重要です。ヒトを変えるにはパワーが必要ですが、ヒトが変われる組織文化を作れば自発的に正しい方向へ変われるはずです。
  2. 組織文化に着眼できるだけで組織開発の打ち手が大きく変わってくると思います。私たちは、組織開発を「組織の意識・文化を企業の方向性に向けて整える取り組み」と考えています。

TOPIC 2 : 大企業病とは

大企業病は「必要悪」と言われています。組織規模が大きくなると、専門性を高めそれぞれが効率的に仕事をこなすためのシステムが必要になります。それぞれのセクションが「効率的」に動こうとした時、それは「当たり前」のように起こります。自分のセクションの効率性を考え優先順位を高めて行動した方が合理的だからです。しかしその結果、自組織の合理に従い顧客に何を提供しているのかを忘れて組織が運営されていきます。

大企業病は自社の「当たり前」になっていることも多く、認知をするのが大変であるため、その兆候を認識し手を打っていくことが重要です。

チームに分かれ、大企業病の特徴(組織文化)をみて、どのような現象があるか、またそれらの現象に対してやれると思う組織開発的な打ち手はどのようなものがあるか話し合いました。
*具体的な打ち手のアイデアは、各社様固有の情報も含まれるため、ここでは全体で共有された現象のポイントとそれに対するコメントの一部をご紹介いたします。


Thoughts in3:
  1. 様々な組織開発の打ち手が様々な現象に対して行われているが、パッチワークのようになってしまい、継続性がなくなるケースがよくあります。
  2. 最近の取り組みでは「自社らしさ」や「創業の精神」など自社の価値観とあっているのか?を軸として大企業病を認知する取り組みが増えています。
  3. 大企業病というのは、健康診断がないとなかなか気がつかないものです。組織の中では、合理的に必要なのでやっており、「当たり前」になっているからです。振り返る機会を作らないと組織の中ではなかなか認識されにくいものです。組織開発はまずはアイデンティティ(自社らしさ)の振り返りを基軸にすると力強い動きとなるのではないでしょうか。
  4. 例えば「縦割り撲滅!」ではなく、我々の会社らしいのか?という問いからスタートすることによって、打ち手が統合され、一貫性が強い力になる。常に自分の会社らしさと紐づけて活動を進めていくと、施策の継続性を高め共通認識になりやすくなります。
  5. 大企業病の主となる現象としてよく挙がる“他責思考”への打ち手として、より個人の役割範囲/責任を明確にする、という考え方がありますが、最近のトレンドは、(組織に信頼があってこそではありますが)役割を明確にするのとは逆の方向で、共通目標に束ねる、横のコラボレーションに期待するというアプローチです。役割を規定し過ぎると、その範囲以外をやらなくなるのが合理的な話。この合理が縦割りを助長します。

TOPIC 3 : エンゲージメントは万能薬?

今、エンゲージメントについて調査や研究が多くされていますが、エンゲージメントが高い組織はパフォーマンスが高いことがわかっています。皆がアイデアを出すようになったり、プラスアルファの仕事をするようになったり、生産性や不良品率の向上にも寄与します。いいことばかりなので、グローバルでもここに手を入れる企業は多くあります。しかし、「何に対する」エンゲージメントなのか?を確認しないと偏ったエンゲージメントがマイナスに作用することもあります。
以下の3つの要素を軸に議論をしました。

  • ①事業そのもの(会社のビジョン、戦略、社会に向けた意義)
  • ②組織(会社の価値観や文化特性)
  • ③人や職場(直の上司やチームでの関係性)

近年日本では、③に関する取り組みが大きく注目されているように思えます。やりがいを持って働く人をどう増やすかは今に限らず組織開発の主要要素ですが、(極端な話ですが)③だけを重視すると、大企業病を強化してしまうケースもあります。組織開発の打ち手として、今自社では①〜③のどこに手を打つべきなのか明確にすることが重要ではないでしょうか。自社のアイデンティティ、つまり自分たちが何者なのか?を認識していることが、エンゲージメントを上げるという調査結果が報告されています。①②の部分に対するコミュニケーションがしっかりと行われない限り、「良い職場」だけの企業になってしまう危険性もあります。

​in3 Open Dialogueを終えてみて

今回はOpen Dialogueの初めての開催にもかかわらず、ご参加企業の皆さまの高いお志とあたたかいご協力により、短時間ながらも大変密度の濃い対話の場となりました。ご参加者の皆さまからも、具体的なお声として、“改めて、組織開発の施策では人ではなく組織に着目することが重要と気づいた。”、“施策の全体の目的・各施策のつながり(小目的)が大切だと感じた。” 、“我々が目指す組織文化とは何か?を考えるきっかけになった。”、“チームリーダーではなく、事業に対するエンゲージメントが大切と気づけた。”など、大変本質的な気づきのコメントをいただくことができました。次回以降も、最新の組織開発のトレンドを踏まえ、ご参加者の皆さまにとって実りある機会となるよう企画して参ります。ぜひ、積極的にご参加いただけますと幸いです。

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