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    [ 掲載日:2023年5月16日 ]

    【対談】欧州サステナビリティ経営の実態と、日本企業の変革へのヒント

    2023.05.16

    企業はサステナビリティ対応を意識して発信を強化していますが、本格的なトランスフォーメーションはこれからです。

    今後、中長期的な事業成長に向け、いかに早くトランスフォーメーションに取り組めるかが、経営に突きつけられるチャレンジと言えるでしょう。

    今回はin3代表の平井が、世界でも先行していると言われる欧州のサステナビリティ経営の実態と日本企業の変革へのヒントを掴むため、現在ヨーロッパでコンサルタント・アドバイザーとしてSXを牽引している以下のメンバーと対談を行いました。

    英語版はこちら / English Version is HERE

    上段左からin3代表平井 Helene Regnell Anne Frisch 下段左からTore Byström Michael Björne
    • Anne Frisch:製造、エネルギーなどさまざまな業界でCFO、取締役を歴任。Celemi社認定パートナーである経験学習テクノロジー企業「アクアフィン」創設者。欧州有数のビジネススクール「HEC パリ」教授。
    • Helene Regnell: GE、デンマークの国際コンテナ船企業・マースク、小売大手・サリンググループを経て、リード・サステナビリティのコンサルタント/アドバイザーとして、さまざまな企業の持続可能なビジネスモデルへの転換を支援。デンマークを拠点に活動。
    • Michael BjörneCelemiのシニアコンサルタント。複雑なビジネス環境のモデリングと魅力的な学習体験の創出のエキスパート。サステナビリティの変革に関するビジネス・シミュレーション を開発。機械工学者でありながら、自然や持続可能性に情熱を注ぐ。
    • Tore Byström セールスディレクター Celemi International AB代表。Celemiのセールスプロフェッショナルとファシリテーターチームの構築と育成を担当。東中欧のエリアマネージャーをつとめた後、UNOPS、Siemens、Fujitsu、Airbus、Sberbank、Volkswagenなどの大企業を担当。

     インタビュアー :  in3代表  平井朋宏 


    目次


    経営に対するプレッシャーの高まり [Section 1/6]

    ー 専門家の皆様から見て、現在ヨーロッパでのサステナビリティトランスフォーメーション(SX)の動きがどのような状況なのか、また、どのような傾向なのかを教えてください。 

    Helene : これまでもほとんどの企業が多かれ少なかれ自主的にサステナビリティに取り組んできたと思います。しかしヨーロッパの野心的なサステナビリティに対する試みの中で、気候変動など、サステナビリティに大きな影響がある企業(ハイプレッシャー企業)では、これまで以上に、強烈なサステナブル化のプレッシャー下にあります。


    ヨーロッパの野心的な規制やルールを軸に、投資家、金融機関などのステークホルダー、さらに議会までが揃って、企業にサステナビリティ経営への転換を促しているのがヨーロッパの現状です。

    その圧力は、義務と言ってもいいくらいパワフルなもので、進捗状況の情報開示に関しても非常に細かくチェックされています。今までは、やっておけば良いことだったのが、取り組まねばまずいことに変わっているのです。
    もちろんこれは「ヨーロッパ」だけのことではありません、この地域で活動するビジネス全てに関係してきていることです。



    Anne : もう1つの傾向は、企業内のサステナビリティ担当者と財務担当者が、非常に緊密に連携するようになったということです。

    ESGファンドに投資したいという投資家はますます増えています。

    企業の資金調達には、負債であれ株式であれ、サステナブルな要素やグリーンな要素を示すことで、グリーンボンド、グリーンボンドフレームワーク、サステナビリティリンクボンドを目指すことができます。

    現在、多くの大企業で、サステナビリティチームと財務チーム(報告書作成と財務)が非常に緊密に連携しますし、この流れは、中小企業にも広がってきています。

    ー こういった流れは、ヨーロッパの経営層やビジネスマネージャーの目に、どう映っているのでしょうか。 

    Anne : 現在私はHECパリの教授として教鞭をとっていますが、多くのビジネスマネージャーが私のプログラムに参加しています。

    よりサステナブルを推進するために、経営層が直接、プログラムに参加するよう指示を出しているのです。

    これまで通りのビジネスでは立ち行かないという危機感と、変革に向けた意識を強く感じます。


    企業のSX度合いをどう見るか [Section 2/6]

    2つのReadiness

    Anne :  企業がサステナビリティ経営にどれだけ舵を切っているのか客観的に判断できる目安があります。

    SXの実行に向けた変革の準備(Readiness)が整っているか、ということです。

    多くの企業がトランスフォーメーション(変革)について語っていますが、それが本当の意味で実行されないのは、結局のところ通常業務の状態であるからです。

    変革の準備(Readiness)が整っているかどうかの判断は、以下の2つの点を見ればわかります。

    1つ目は、長期インセンティブプランと変動報酬です。


    管理職やトップマネジメントの変動報酬のうち、サステナビリティに関連するものはどのくらいあるか。もし15%以下であれば、その会社はサステナビリティをあまり重要視していないことがわかります。 

    Helene : 本気でSXを進めようとする企業のCEOやトップマネジメントのボーナスは、20%や30%、あるいはそれ以上の割合で、サステナビリティに関連するでしょう。そして、その下の経営層や全従業員にも展開し、インセンティブを与えていく。 

    同時に、全員が正しい方向で働けるようにするため、相反するインセンティブを持たないようにもしている。これが企業が行う一つの方法ですね

    Anne : もうひとつは、時間投資:サステナビリティについて探求する時間、です。

    サステナビリティについて考え、新しい解決策を見つけ、考える時間を社員に与えているかどうか。もし時間がないのであれば、それはもう無理な話です。

    投資額

    Anne : さらに、サステナビリティに沿った投資の割合にも注目すべきです。

    実は、欧州のタクソノミーの必須要素の1つとして、タクソノミーに沿った収益のシェアだけでなく、投資(設備投資)のシェア開示が必要となっています。 


    例えば、ヨーロッパのある大手石油会社は、ロゴを変更しました。

    なるほど、太陽や風のマークがたくさん使われていて、とても環境的な印象を受けます。

    では、従来の石油やガスには、どれだけの設備投資をしているのか。 …やっているのは、ロゴだけです。

    これがグリーン・ウォッシング(見せかけの環境配慮)の例です。


    企業の本気度をはかるには、何を言っているかだけではなく、実際にサステナブル活動への「投資」割合を見ることが重要です。


    本気で変革(トランスフォーメーション)に取り組む [Section 3/6]

    トップダウンによる戦略とメッセージ

    ー 実際、多くの企業にとって、SXを実行するのは難しいように感じます。

    トップダウンで変革するのでしょうか? それとも組織全体の意識改革で進んでいくものなのでしょうか?

    Helene : SXはまさに変革(トランスフォーメーション)の課題なのですが、実際には多くの企業で、本当の意味での「変革」には取り組めていません。

    例えば、「エネルギー消費量を年間5%ずつ改善していく」というレベルでは、実際に変革するという目的には至らず、何も変わりません。

    ただ、今やっていることを、より効率的にやっているだけに過ぎないのです。

    効率化は間違いではないですが、変革、つまりビジネスモデル自体を見直す必要があるのです。

    そのためには、私はトップダウンで推進していく必要があると思っています。

    今から10年後、20年後、我々はどんなビジネスになっているのだろう?
    どんなものを作っているのだろう?製品ではなく、サービスを売っているのだろうか?
    原材料を調達しているのか、それとも製品を引き取って新しい商品を作っているのか?

    循環型経済のアプローチというのは、実際に導入するには長い時間がかかります。ビジネスに与える影響や財務的なインパクト、全てを今考える必要があります。

    実際に、新しい報告指令、CSRD (Corporate Sustainability Reporting Directive)の中でも、二重の重要性 -ダブル・マテリアリティ※と呼ばれるものが、要求されるようになっています。

    ※ダブル・マテリアリティ:
    企業がESGに関する課題から受ける財務インパクトを考慮する立場(シングル・マテリアリティ)に対して、財務マテリアリティだけでなく、環境・社会マテリアリティの両方を重視しようとする立場(ダブル・マテリアリティ)


    そしてトップや経営層は、従業員や中間管理職を新たな方向に向かわせるためにはどうすればいいのか、また達成したいことについて分かりやすく伝えるには、どうすればいいのかを考える必要があります。

    例えば、「サプライチェーンで人権を尊重する」という方針を持ちながら、同時に「できるだけ安く買う必要がある」などと言ったら、どうでしょう?

    方向性がよくわからないというのは、中間管理職の悪夢ですよね。

    トップが複雑なメッセージを発すると、従業員は、どうすればいいのかわからない、という状態に陥ってしまいます。

    経営者として、ハイレベルな戦略や目標を持つのはいいことですが、それを組織の中で、どうやって日々の決断やカルチャーに取り入れ実行できるかを考える必要があります。 

    変革への原動力とアクション

    ー 外部環境や世相、政治など、変化はあまりに早く複雑で、経営陣にとっても明確な方向性を打ち出すのは難しいように感じます。さらにそれを実行するのは大変なことのように思いますが…。

    Anne : 実際に、変革に向けて動いている企業のケースをご紹介しましょう。
    さらにおもしろいのは、これがヨーロッパの会社ではない点です。

    リン酸肥料を製造し世界中に輸出している、モロッコ国営企業です。

    肥料を作るには大量の水とエネルギーを必要としますが、昨今のエネルギー価格高騰に加え、今後すべての生産を環境に配慮したものにするため、彼らは大規模な変革計画を発表しました。その額は、5年間で130億ドルにものぼります。

    また、2040年までにカーボンニュートラルにするという目標も掲げています。2050年ではなく、より早く、ということです。

    これは、彼らが肥料をヨーロッパ含めあらゆる地域に輸出していることも、理由のひとつです。 

    今後ヨーロッパで炭素税が導入される可能性があり、炭素エネルギーを使用した肥料を持ち込むと、国境で炭素税を課される危険性があるとみられています。 ビジネスサステナビリティの観点から大きな変革を仕組んだわけです。

    トップの意向だけでなく、世界情勢の変化や規制が、彼らの原動力とスピードになっているのです。

    現場の巻き込みの重要性

    ー 経営層によるSX戦略が明確になったとして、実際、どのように組織を変革しているのでしょうか。
    サステナブルチームが旗振り役を担ったとしても、実際に大企業で業務を動かすとなると、それこそ大演習式になる。 

    実際にどのように組織を変革していくのかが、気になるところです。 

    Helene : 私は、あるデンマークの銀行でアドバイザーをしています。

    その銀行は、デンマークの農業ビジネス向け融資市場の約3分の1を占めているのですが、ここ数年、ヨーロッパとデンマークの炭素税についての議論が行われてきました。

    今後、炭素税が導入される可能性があり、そうなると多くの農家が倒産するリスクが高まります。

    農業に大きなエクスポージャーを持っているこの銀行の経営層にとっても、収益が危うくなることは目に見えていました。何か、しなければいけない…。

    そこでこの銀行は、農業用のソフトウェアやシステムを開発する組織とパートナーシップを結び、農家にツールを提供することにしました。

    これにより、農家はCO2を削減する意思があることを示すだけでなく、実際にどうすれば二酸化炭素税を削減できるかをシミュレーションしたり、シナリオを作成したりすることまでできるようになるのです。

    しかし、このソリューションは、経営陣やESGチームから生まれたものではありませんでした。彼らだけではそのアイデアを思いつかなかったことでしょう。

    SXの達成に向けて、ESGチームやサステナビリティ・チームにすべてを任せても、苦しい戦いになることは明らかです。

    なぜなら、通常、そのチームに所属する人々は、営業担当者でもなく、製品開発担当者でもなく、顧客と接する担当者でもないのですから。 

    ー そうですね。経営層が議題や課題を提起できれば、現場がビジネスとして取り組むことができますね。


    変革過程で直面する複雑性や矛盾

    Anne : 一方で、経営としてSXの方向性をパーパスとして掲げ、変革に成功した結果、思わぬジレンマに直面するケースもあります。

    ある世界的に有名な食品系グローバル企業では、サステナビリティに非常に先見の明のあるCEOがおり、見事に会社を変革の方向に導き、パーパス・カンパニーへと変貌を遂げることができました。

    しかし、その直後、業績に不満を持った投資家たちによって、彼は追放されてしまったのです。

    これはあくまで1ケースですが、 SXの目的を掲げ、達成するだけでは不十分なのです。

    組織内でのSXの取り組みを通常業務(ビジネス)と変革(トランスフォーメーション)として区分して捉えるのではなく、まさに統合して組織全体で取り組まねばならない。

    そのためには、トップが意識を変えるだけでなく、ビジネスを担う人々すべてが各々の仕事を変えていく必要があるのです。

    サステナビリティは、全体や戦略にだけ存在するものではありません。マーケティング、エンジニアリング、生産、財務の各分野で働く人たちの仕事をどのように変革していくのかが大切なのです。

    現在私は、そうした新しいトレーニングの構築にはげんでいます。


    Celemiのソリューション [Section 4/6]

    ー 経営層だけでなく、組織全体の変革をサポートするのがCelemiでのトレーニングですが、具体的にどのようなものなのでしょう?

    また、通常のサステナビリティのトレーニングに対して、Celemiのソリューションはどう違うのでしょうか?

    Michael : トランスフォーメーションはトップが主導する必要がありますが、すべての部門から参加してもらい、目的意識を持ち、人とのつながりを感じてもらうこと。
    課題、解決策、問題の全体像を、人々を夢中にさせるような方法で伝えること。

    それがCelemiのシミュレーションで試みていることです。

    Helene : Celemiでは、架空の会社を使って、ケースストーリーを設定します。
    参加者ひとりひとりが意思決定をして、何がベストな解決策なのか、ゲームを通じて議論するのです。

    あらゆる層が参加するため、当初私は、このゲームが彼らにとって複雑すぎるのではないかと少し心配していたのです。

    しかし実際は、このゲームはさまざまなレベルで理解され、部屋は非常に活気に溢れたものになりました。

    Michael : 彼らは、シミュレーションを通じて、サステナビリティに関することはすべて、バランスが重要であることに気づくことができたのです。

    短期的にも長期的にも、3つのP ー「人(People)」「地球(Planet)」「利益(Profit)」ー の側面から成果を上げる必要があります。そして、リスクをとって大きな可能性を追求し、トランスフォーメーションの遅延に伴うリスクを軽減する必要があります。ステークホルダーはそれぞれ相反する期待を持っていることもあります。

    このシミュレーションは、サステナビリティへのニーズをいかにビジネスチャンスに変えることができるのかを実証するものであり、多くの場合、人(People)と地球(Planet)環境が改善されることはビジネスの発展を意味し、とりわけ長期的な視点で見ると、その効果は計り知れません。

    Helene : しかし、時には明確な矛盾が生じることがあります。ある方向に進めば利益が減り、利益を追求すればブランド価値の面で苦しくなる。このようなジレンマにどう対処するか、参加者が議論し合います。

    これは彼らにとって素晴らしい学習方法でした。

    なぜなら、彼らは楽しみながら、同時にジレンマについて議論し、自分の会社がこの分野でどのように意思決定をしているのか、あるいは、おそらく意思決定をしていないのかについて洞察を得ることができたからです。 

    というのも、参加者の一人が言ったように、実は今まで、サステナビリティに関する戦略を提示されても、その戦略が何を語って「いない」のかまでは、分からなかったからです。

    Michael : いろいろなサステナビリティ・レポートを読んでいると、ポジティブな変化を強調するだけのものもあります。

    一般的な読み手は、取り組みと問題の全体像を関連付けることができない
    ある意味、チェリーピッキング(都合のよいことだけを選び提示すること)が効いてしまっている。

    なので、Celemiのシミュレーションで心がけているのは、全体像の理解を伝えることです。

    われわれのワークは、正解や不正解を提供するのではなく、思考プロセスを提供するものです。

    そのため、体験中に何度か、このプロジェクトの実施を遅らせた場合、どのような機会があり、どのようなリスクがあり、どのような影響があるのか、という思考プロセスを経るよう求められます。

    会社のさまざまな活動にどのように関係しているのか。

    自分の会社にとって何が正確な答えなのかを知るのではなく、むしろ考え方を得るための方法なのです。

    セレミ・サステナビリティ™の概要説明

    Helene : 楽しさと同時に学びもある。
    最高のトレーニングとは、参加者が対象物に共感し、なぜ自分がトレーニングを受けているのかを理解できるものです。

    そして、それを理解させる方法は、トレーニングを可能な限りリアルにすることだと考えています。


    日本企業への期待と役割 [Section 5/6]

    ー サステナビリティという点で、日本のビジネスの評判はどうでしょうか?
    ヨーロッパでは、日本のビジネス全体についてどのような認識を持っているのでしょうか?


    Helene : 私は、日本の大企業のいくつかは確実に成熟していると思います。
    彼らはグローバル展開をしており、世界中の子会社から多くの知見を得ている。その中で成熟していくわけです。


    Tore : 私がビジネススクールに通っていた頃、ケーススタディの本には、松下やその他の大きなコングロマリットなど、イノベーションを起こした日本の例がたくさん出てきました。
    今日でいうところのサステナビリティ・イノベーションですよね。


    ー そうですね。カイゼンといい、よいものは日本にもたくさんありますね。 

    Anne : カイゼンは無駄や使いすぎを避けることなので、循環型ビジネスモデルの開発や天然資源の節約にカイゼンの手法を使うことができるでしょう

    では、その哲学をデザインに生かすにはどうすればいいのでしょうか?

    例えば、私たちは今、製品のライフサイクル分析をバリューチェーン全体を使って行うことに非常に注目しています。その点では、日本人は優れていると思います。

    今こそ、ライフサイクル分析に日本式カイゼンアプローチを導入して、天然資源を節約する時です。

    ー 一方で、ビジネスとしてはあまりスケールアップしていないように思います。

    トランスフォーメーションを起こすには、組織の同意も必要になりますが、この「合意祭り」をはじめると、たいていの場合、全体合意は得られず、トランスフォーメーションまでには至らない…。

    Anne : そうですね。トランスフォーメーションとコンセンサスは必ずしも一緒にするものではありませんが、トランスフォーメーションというのは非常に深い変革です。


    18世紀には、啓蒙主義が起きました。

    そして今、私たちが経験しようとしているのは、そういった類の大きな革命であるということです。

    それは美しいコンセンサスだけでは実現しない。

    力と緊張が必要だと思っています。

    ー 社会の尺度が大きく変わりつつあるということですね。

    日本企業に対しては、どのような要望や期待があるのでしょうか。
    今後、日本企業が取るべき行動や役割は何なのでしょう。


    Helene : 日本企業には、エンド・トゥ・エンドのバリューチェーンをグローバルで理解することを期待します。

    資源や原材料を調達するところから、製品となって顧客へ届くまで、そして製品が使えなくなったときにどうなるのか?

    それをサステナビリティの観点、主に気候変動、生物多様性、人権、この3つの要素に注目して分析してほしいですね。

    経営層には、自分たちのビジネスがどのような影響があるのか理解し、それが見えてきたら行動することを期待します

    優先順位は何なのか、計画を立て行動し、その行動が実際に結果を生み出すようにする。

    それが私の期待することです。

    Anne : バリューチェーン全体、いわゆるスコープ3※を見なければなりませんが、多くの企業はまだスコープ3※とは何かを学んでいる段階です。

    ※スコープ3:
    スコープ1、2以外での、サプライチェーン上での温室効果ガス排出量(その他の間接排出)。スコープ1は工場における燃料の燃焼や製造プロセスの過程など、企業自らによる排出(直接排出)。スコープ2は国内外で他社から購入した電気、熱、蒸気などの使用に伴う排出(間接排出)


    私は、イノベーティブであると同時に、実行力もある日本企業を賞賛しています。
    だから、もし日本企業がそれを理解し、自社のパーパスに組み込むことができれば、素晴らしい存在になれると思うのです。



    ビジネスとサステナビリティは1つの戦略  [Section 6/6]

    Helene : 優れた企業は、ビジネスとサステナビリティを分けて考えるのではなく、1つの戦略として捉えています。

    それがサステナビリティ事業戦略であろうと、普通の事業戦略であろうと違いはありません。同じことが通用するのです。

    戦略を実行する過程では、より多くの経営情報を作成し、正しいパフォーマンスに報い、意思決定者に透明性を与えるような、さまざまな取り組みについて考える必要があるでしょう。

    これらのことは、互いに非常に複雑に絡み合っています。

    Michael : メインの戦略があって、その脇にサステナビリティ的なものがあるというわけではないのです。

    すべてはつながっていて、ビジネス全体の基盤を理解せずにサステナビリティを変革することはできないのです。

    だから私たちは、統合的な視点でトランスフォーメーションをサポートしていこうとしています。



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